【仕事の原点】今、思うこと。
「先生といると、外国にいるみたい!」 20年前、小学校5年生の生徒からレッスン中に言われました。
はじめての生徒。それも、双子の男の子。 子どもの素直な発言がすごく嬉しくて、今でも鮮明に覚えています。
自分の得意なこと、自信を持ってできることをお客様へ届けたい。それを仕事(アルバイト)にしたい。そう思って、自宅の家庭用カラープリンターで刷った数百枚の生徒募集チラシを筑波大学周辺のご家庭に一軒一軒歩いて投函しました。
当時は、Facebookが世に広まってからまだ数年、LINEはまだなくメーリス(メーリングリスト)の時代。つくばエキスプレスも開通したばかり。
まだ大学卒業資格も、英語指導歴もない中で、初めてのお問い合わせでご自宅にお呼びいただき、リビングのテーブルで親御様へご挨拶させていただき、最後に「うちの子をお願いします」と笑顔で言っていただけた心の温かいお客様とのご縁は、これまでの人生で何にも代えがたいものです。それからの毎週のレッスンでは、型も何もない中で創意工夫を凝らし、一生懸命に準備をして臨みました。
大学卒業前の最後のレッスン日、帰り際に二人の子ども達が自宅から出てきてくれて、私が自転車で帰るのを見えなくなるまで、満面の笑みで、兄弟楽しそうに、無邪気に走ってついてきて見送ってくれたのが、昨日のことのようです。
これが、英語の先生としての原点です。
この経験がなかったら、今はなかったと思います。教育業界へキャリアシフトすることもなく、金融機関にそのまま居続けたかもしれません。大学卒業後、大手優良企業と呼ばれる会社をいくつも経験してきましたが、学生時代のレッスンを通じた感動を上回る職業体験はありませんでした。
英語指導との向き合い方、お客様との関わり方、そして、自分で作った仕事に対する想い。最初は会社員として働きながら副業として再開したこの仕事も、気が付けば本業と本腰の入れ方が逆転し、自分のキャリアそのものとなっていました。
お客様(生徒・保護者様)と関わらせていただくことが本当に楽しい。感謝しかありません。
海外で英語学習と異文化体験が始まったのは、物心がつく前の3歳。そういう意味では、これまで二度海外を経験し、二度帰国子女と呼ばれる立場を経験しているので、日本で英語の先生を名乗る身としては、我ながら申し分ないかもしれません。
人生は長いようで短い。健康寿命を考えると、さらに縮まります。普通に考えれば、せっかく入れてもらえた日本の大企業で、安定して定年を迎える人生の方が幸せだったのかもしれない。でも、公私ともに、今の方が過去のどの時代と比べても、はるかに自分らしくいられるのは間違いないのです。それであれば、自分ができること、得意なこと、やっていて夢中になれることを仕事にしたい。
それが、かつて海外で暮らす子どもとして日々もがき続け、また、本帰国してからは日本への再適応という社会の同調圧力の中で葛藤を繰り返した一人の帰国子女が出した答えなのかも知れません。
